なぜ薬局は頑張っているのに、楽にならないのか
全体は「一番詰まっている所」で決まる
調剤薬局の成果(安全・待ち時間・満足度・利益)は、「一番詰まっている工程(制約)」で100%決まります。全員が忙しい薬局ほど、改善が空回りしている可能性があります。
TOC(制約理論)は、物理学者・経営学者であるエリヤフ・ゴールドラットが提唱したマネジメント理論です。
TOCの核心は、驚くほどシンプルです。
システム全体の成果は、たった1つの制約(ボトルネック)によって制限される。
ここでいう「制約」とは、
など、全体の流れを止めている一点のことです。
重要なのは、👉 制約以外をどれだけ改善しても、全体は良くならないという点です。
多くの薬局で、こんな改善が行われています。
一見、正しそうに見えます。しかしTOCの視点では、これは部分最適です。
👉 頑張った結果、現場が苦しくなる。
これが「改善しているのに楽にならない」正体です。
薬局の制約は、ほぼ次のどれかに集約されます。
ここで大事なのは、「制約は1つだけ」という前提です。
あれもこれも詰まっているように見えても、一番影響が大きい"主制約"は1つです。
TOCには有名な「5つのステップ」があります。これを薬局用の言葉に翻訳します。
「今、一番待ちが発生している工程はどこか?」
「患者体験を止めているのはどこか?」
👉 ほぼ確実に 鑑査 or 投薬 です。
制約工程に、ムダな仕事をさせない。
👉 制約は"王様"。最優先で守る。
ここが一番重要で、一番できていない。
👉 これは後述するリトルの法則(WIP制御)そのものです。
初めてここで
を検討します。
👉 いきなり増員するのは、TOC的には最終手段。
制約は改善すると必ず移動します。
👉 改善は終わらないプロセスです。
TOCでは、細かいKPIを大量に追いません。
最低限、次の3つで十分です。
(枚/時)
(仕掛品)
(回/日)
これだけで、「なぜ今日は荒れているか」が説明できます。
明日やることは、たった1つです。
👉 「今、どこが一番詰まっているか」を全員で言語化する。
ホワイトボードに「今日の制約:〇〇」と書くだけで構いません。
それだけで、
が、目に見えて減ります。