薬局が混乱する本当の原因は、「処理できない量まで仕事を流していること」です。DBRは、流す量を最初から制御するための実践理論です。
DBR(Drum–Buffer–Rope)は、エリヤフ・ゴールドラット が提唱したTOC(制約理論)を現場で動かすための実装技術です。
「全体は制約で決まる」という思想だとすれば、
「じゃあ、どう動かす?」に答える運用ルールです。
ドラムとは、制約工程が処理できる最大のペースです。
調剤薬局では、ほぼ確実にここです。
この処理能力が、薬局全体の上限になります。
バッファとは、制約の直前に置く適量の仕掛品(WIP)です。
多すぎる →
混乱・待ち時間・ミス増加
少なすぎる →
制約が空転(もったいない)
「ちょうどいい待ち」を意図的に作ります。
ロープとは、仕事を入れていいタイミングを縛るルールです。
ここが最重要。
これはすべて👉 ロープが切れている状態です。
ロープが、全体を守る最後の砦です。
| DBR用語 | 薬局での意味 |
|---|---|
| ドラム | 鑑査・投薬の処理能力 |
| バッファ | 鑑査前の適正WIP |
| ロープ | 受付制限・投入ルール |
こんな光景、ありませんか?
受付はどんどん受ける
調剤は全力で作る
鑑査が詰まる
投薬が遅れる
待合が荒れる
ミスリスクが急上昇
誰もサボっていないのに、全体が崩れる。
原因は一つ。ロープがない。
「鑑査が1時間に◯枚処理できる」→ それ以上は流さない
鑑査前のWIPは→ 常に◯枚を目安に維持
WIPが◯枚を超えたら
入れない判断が、全体を守る。
多くの薬局で、
ことに強い抵抗があります。
しかしDBRでは、これは正反対。
止めないことが、最大の事故要因
DBRは、安全管理そのものです。
複雑な指標はいりません。
枚/時
枚数
止めた回数
この3つで、「今日はなぜ荒れたか」が説明できます。
(ピーク時)平均して鑑査・投薬を6~12分で対応すれば、1時間に5~10人は対応可能(1人の薬剤師)
※診療科や処方内容にもよります。
※薬歴は後回し
明日やることは、これだけ。
「鑑査前WIPが◯枚を超えたら止める」というルールを1つ決める。
紙1枚、ホワイトボード1行で十分です。
それだけで、
が、同時に下がり始めます。