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感情労働

Emotional Labor

提唱者:Hochschild

感情を調整しながら働く職業は消耗しやすい

理論の概要

感情労働とは、仕事の一部として自分の感情を管理・調整することを求められる労働のことです。薬剤師は、患者さんに対して常に親切で丁寧な対応を求められるため、典型的な感情労働者です。

表層演技

Surface Acting

本当の感情を隠して、求められる感情を「演じる」こと

例:イライラしていても笑顔で対応する

深層演技

Deep Acting

自分の感情自体を変えようと努力すること

例:患者さんの立場に立って共感しようとする

薬局運営への活用

薬剤師業務の負荷再定義

薬剤師の仕事は、調剤や服薬指導だけでなく、感情労働としての負荷も大きいことを認識する必要があります。

感情労働の場面

  • ・不安な患者さんへの丁寧な説明
  • ・クレーム対応
  • ・医師との調整・交渉
  • ・終末期患者さんへの対応
  • ・認知症患者さんへの繰り返しの説明

クレーム・調整業務の評価対象化

感情労働は「見えない労働」になりがちです。これを評価の対象として可視化することが重要です。

クレーム対応の件数・内容を記録する
困難な対応をした職員を評価・ねぎらう
感情労働の負荷を業務分担に反映する
感情を吐き出せる場(ピアサポート)を設ける

感情労働からの回復

感情の吐き出し

同僚と感情を共有できる場を設ける

回復時間の確保

困難な対応の後は休憩を取る

チームでの分担

一人に負荷が集中しないようにする

承認・感謝

感情労働の努力を認め、感謝を伝える

明日の一手

感情労働の負荷が高い職員を見つけ、ねぎらいの言葉をかけましょう。

具体的なアクション:

「さっきの対応、大変だったね。ありがとう」と、困難な対応をした職員に声をかける。