第8次医療計画の5疾病6事業
医療制度薬剤師の役割

第8次医療計画の5疾病6事業について

地域完結型医療における薬局薬剤師のビジョンと役割

ビースト君

薬剤師ライター

公開日

2025年11月5日

この記事のキーワード

第8次医療計画5疾病6事業地域完結型医療薬局薬剤師ヘルスケア・ゲートウェイQOL向上服薬指導地域医療連携

第8次医療計画における5疾病6事業の推進により、地域完結型医療の実現が求められています。この中で、薬局薬剤師は単に薬を渡すだけでなく、患者さんの生活の質(QOL)向上と医療資源の適正利用に貢献する重要な役割を担います。

本記事では、薬局薬剤師が目指すべき「地域住民のヘルスケア・ゲートウェイ(玄関口)」としての機能強化について詳しく解説します。

5疾病への関わり:継続的な薬物療法管理とQOL向上

薬局薬剤師は、特に長期的な管理が必要な5疾病において、薬物療法の最適化と指導を通じて、患者さんの自己管理能力を高めます。

1がん

専門的な緩和ケア支援(疼痛管理、副作用対策)と在宅での服薬指導。地域の診療所・病院・訪問看護との連携ハブとなる。

2脳血管疾患

再発予防のための生活習慣指導と服薬アドヒアランス(服薬遵守)の徹底。脳卒中後の嚥下機能に合わせた製剤工夫の提案。

3心血管疾患

血圧・脂質・血糖値のモニタリングと記録支援。薬物治療の中断を防ぐための継続的な動機付け。

4糖尿病

薬効評価(HbA1cなど)に基づいた服薬指導と、シックデイ(体調不良時)の対応指導。血糖測定器などの指導。

5精神疾患

多剤併用(ポリファーマシー)のチェックと、副作用(特に眠気や体重増加)に対するきめ細やかなフォローアップ。心理的サポートと専門機関への橋渡し。

6事業への関わり:地域の医療提供体制の維持・強化

薬局薬剤師は、特殊な状況下や特定の層への医療提供が必要な6事業において、機能と連携を強化することで、医療のセーフティネットとしての役割を果たします。

救急医療

時間外・休日対応の強化(当番制など)。地域の救急搬送後の処方内容や指導内容の迅速な情報共有。

災害時医療

医薬品の備蓄・管理と供給体制の確保。災害発生時の情報収集・伝達。被災者に対する巡回指導。

へき地の医療

オンライン服薬指導や遠隔での薬学的管理を積極的に活用し、へき地・離島の患者へのアクセスを確保。

周産期医療

妊娠・授乳期の服薬相談(催奇形性・母乳移行リスク)。産後うつや児の健康に関する相談窓口としての機能。

小児医療

小児の体重・年齢に合わせた正確な調剤と服薬支援(飲ませ方の工夫)。小児救急対応に必要な医薬品の備蓄。

新興感染症への医療

感染防御と検査の拠点(抗原検査など)。経口薬やワクチン接種の円滑な実施体制の構築。

総合的なビジョン:「地域住民のヘルスケア・ゲートウェイ」

薬局薬剤師の究極のビジョンは、最も身近で相談しやすい「ヘルスケアの玄関口」として機能することです。

情報の統合と伝達

患者さんが複数の医療機関を受診しても、薬局が一元的に服薬情報を管理し、病院・診療所・ケアマネジャーなどへ正確にフィードバックする。

早期発見・早期受診勧奨

一般用医薬品(OTC)の相談や体調変化の聴取を通じて、未病や初期の疾患を見つけ出し、専門医への受診を促す。

セルフメディケーションの支援

軽度な症状や慢性疾患の自己管理に対し、エビデンスに基づいた適切な指導と情報提供を行う。

まとめ

第8次医療計画における5疾病6事業の推進において、薬局薬剤師は地域医療の要として重要な役割を担います。このビジョンを実現することで、薬局薬剤師は医療費の適正化と地域住民の健康寿命の延伸に不可欠な存在となり、真の意味での「地域住民のヘルスケア・ゲートウェイ」として機能することができるでしょう。

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